5月のゴールデンウェーク、初夏の日差しが傾いた清々しい夕暮れ時、静岡県浜松市のバジル農家BASIL HOUSEさんを訪ねました。以前、とあるイベントでいただいたバジルのブーケがとっても素敵で気になっていました。色とりどりの葉、その香り高さ、力強い葉付き、そして何より深い味わい。これって全部バジルなの?と思うほど。初めてみるバジルだけのブーケ。いただいた時に、食用ですのでバジルティーやハーブティーとしてもいただけます。と聞いたので、家に帰るとさっそくミキサーにかけ、バジルペーストにしてジェノベーゼを作りしました。これが大正解!これ自分で作ったの?と疑うほど。今までに味わったことのない、バジル本来のアロマと苦味甘味はもとより、たくさんのハーブが入っているかのような複雑な風味。ミント、シナモン、はたまたクローブとも思えるようなフレーバーが口いっぱいに広がりました。
農園に着くと、BASIL HOUSE三浦さんが笑顔で迎えてくれました。目の前に広がる土壌には可愛らしい苗たちが行儀良く並んでいました。主に、アフリカ原産のホーリーバジル、カプーアトゥルシーという品種だそうです。BASIL HOUSEを立ち上げる前は、無農薬農園で働いていた三浦さん。そのノウハウを活かして、このホーリーバジルも無農薬、動物性肥料、化学肥料にも頼らず自然栽培で育てています。数年かかりようやく安定してきたとのこと。無農薬、聞こえはいいけど大変な労力、ノウハウの蓄積が必要なのですね。
続いてハウスの中へ。
三浦さんはバジルの苗をひとつ取ると、こうやってバジルの花の部分を指で擦って匂いをかいでみて、と。スーパーで買う一般的なスイートバジル種やハーブの類をかぐことはあったけど、ホーリーバジル、まして花穂。これが何とも力強い香り。スパイシーで深いアロマのとってもいい香りがします。そして別の種類を次々に紹介してくれました。タイバジルシャムクイーン、パープルバジル、イタリアバジル、オレンジバジル、ライムバジル・・・今まで知らなかったバジルの世界が、ハウスの中に広がっていました。
ふと見渡すと、丸い筒に入った苗が。実はこれトイレットペーパーの芯で育てているんです。ちょっと試してみているんだけど、結構いい感じ。と、にこやかに教えてくれました。続いて、「これが種子」と茶色く乾燥した花穂を指でバラバラとほぐし、中の種を出して見せてくれました。知らないことばかり、感心してばかりです。
敷地内にあるコンテナハウスでは、直売所をやったりワークショップをやったり。今はバジルティーが中心だけど、オイルやキャンドルも面白いと思う、とも。すでに商品化されているものもたくさんあるけれど、さらに実験、研究、開発をしている様子。その可能性は広がります。三浦さんの人柄も手伝って、なんだかこっちまでワクワクしてきちゃいます。
初夏を迎えた農園は、これから成長が楽しみなバジルたちが仲良く並んで待っています。あ〜、あのバジルブーケが待ち遠しい!いつかリッラベッケンでも何かできるといいな〜。
この度はお忙しいところ突然お邪魔したにも関わらず、快く迎えてくれてありがとうございました!